S-LEC™ Sound Acoustic Filmを使用した自動車用合わせガラスは、交通騒音や風切り音など、車外から入り込むこれらの騒音の透過を大幅に低減します。2枚のPVB中間膜(外層)の間に遮音PVB層(コアPVB層)を配置する多層押し出し技術により、遮音性能を大幅に向上させることが可能です。S-LEC™遮音中間膜の優れた遮音性は多層共押出技術にあります。 S-LEC™遮音中間膜は3層から成り、安全性やUVカットなどの中間膜のベネフィットを維持しつつ中央の遮音層 (コア層) が遮音性能を大幅に向上させます。
世界で生産されるクルマの半分以上のフロントガラスには遮音中間膜が採用されています*1。EVの普及やパノラマルーフが広く採用され、静粛性のニーズは高まり、遮音ガラスの需要は年々大きくなっています。
*1 当社推定
世界的なCO2削減目標を背景に、多くの自動車メーカーが電気自動車(EV)のラインナップを充実し、EVを専業としたメーカーも続々と誕生しています。EVはエンジン音がないため静粛性が高いことが一つの特徴です。
一方で、インバータ音などEV特有の騒音の発生、エンジン音に埋もれていた交通騒音や風切り音、雨音などの車外騒音がより聞き取りやすくなると言われています。車外騒音は、ドライバーの集中力や同乗者の快適性に大きな影響を与えるため、EVにおいても遮音性の向上が求められています。
S-LEC™遮音中間膜を採用することで、フロントガラス、サイドドアガラス、パノラマルーフなどすべての合わせガラスの遮音性を向上させ、より静かなEVを実現することができます。
新興EVメーカーを含む多くの自動車メーカーが、ガラスを別々のものとしてではなく、フロントガラス・ルーフガラス・リアガラスが一体となったひとつの大きな1枚のガラスのように見せるデザインを導入しています。これにより、より多くの太陽の光を車内に取り込み、搭乗者により自然な環境を車内環境を提供します。
このようなデザインに単板ガラスや通常の合わせガラスを使用した場合、ロードノイズや風切り音などのノイズが車内により多く伝わってしまうことがあります。積水化学の遮音PVB中間膜、S-LEC™遮音中間膜を採用することで、設計者の意図した高級感のある車内環境を維持しつつ、これらの騒音を大幅に低減することができます。
パノラマガラスルーフは、解放感のあるガラスというコンセプトとして、消費者の間で人気が高まっているオプションです。従来のルーフガラスサイズが0.5平米程度だったのに対し、最近のクルマでは2平米を超えるルーフガラスが搭載されるようになってきています。これにより、ルーフガラスを通じて社内に入りこむ騒音は大きくなっています。
実際のクルマを使った風洞試験により、 S-LEC™遮音中間膜を搭載したパノラマルーフは通常の合わせガラスと比較して、最大3dBの音圧、会話明瞭度指数(AI値)で3.7%相当の改善効果を確認しています。また、前方座席だけでなく、後方座席でも大きな静粛性の改善を確認しています。テスト結果詳細はお問合せ下さい。
車室内に進入する騒音の音源としては、フロントガラスから透過する音、さらにエンジンや冷却ファン、排気音といったボディパネルからの透過音が主とされてきました。
透過音以外にも、フード、ワイパーやAピラー、ドアミラーによって巻き上げられる風の渦がウィンドウに当たることで起こる振動音、「擬音」があり、これは、透過音における音圧の差を表す「音響透過損失(STL:Sound Transmission Loss)」では評価できないものです。
S-LEC™遮音中間膜のダンピング性能を大幅に向上させた新しい遮音グレード、SVグレードは、STLでは評価できない振動音を大きく低減、フロントガラスだけでなく、サイドドアガラスにも採用することで、車室内の静粛性を飛躍的に高め、これまでにないラグジュアリーな心地よさを提供します。
新しい遮音PVB中間膜、SVグレードの高い制振技術やメリットについてカタログをご覧ください。実車を用いた風洞試験により優れた車室内静粛性が確認されています。