人が不快に感じるジリジリ感や、車内の温度上昇の主な原因は太陽光に含まれる赤外線による影響です。
S-LEC™遮熱中間膜は、合わせガラス用中間膜の機能の一つであるUV(紫外線)カットに加え、遮熱微粒子を中間膜中に分散することで車内に差し込む赤外線をブロックします。これにより目に見える光である可視光線は透過したまま*1、自動車ガラスに遮熱性能を付与することを可能にし、ジリジリと焼けつくような太陽からハンドルやシート、ダッシュボード、乗る人の肌を守ります。車内の快適性を高めることに加え、大型化するガラスデザインにも対応。自由な自動車ガラスデザイン、燃費や電費の向上にも貢献します。
S-LEC™遮熱中間膜は年間5百万台以上*2の新たに生産される自動車に採用され、遮熱性能に対する市場の要望の高まりから、その数は年々増え続けています。
*1 カラー中間膜などプライバシー機能を持たせるため可視光線透過率を下げることも可能です。
*2 当社推定
一般的に、自動車ガラスには一定の遮熱性を持つグリーンガラスが使われます。世界には、可視光線透過率・遮熱性の異なる様々な種類のグリーンガラスが存在し、地域・国によって主流となるガラス種類が異なります。また、クルマのコンセプトや要求性能、フロントガラスやサイドドアなどのガラス部位によって、ガラスの種類・厚みが異なることが多々あります。
合わせガラスの遮熱性能は、ガラス種類・ガラス厚み・ S-LEC™遮熱中間膜の遮熱グレード、これら3つの要素が大きく影響します。適切なS-LEC™遮熱中間膜の遮熱グレードを選択することが、フロントガラスなどに不可欠な基準である70%以上の可視光線透過率を保持しつつ、最適な遮熱性能を実現するポイントになります。
クルマのコンセプトや、その販売国・地域のニーズに応じて、求められる遮熱性能は異なります。
S-LEC™遮熱中間膜には、L、AN02、AN01の3種類の遮熱グレードがあり、遮熱カスタマイズグレードのご提案も可能です。例えば、ダークソーラーグリーンガラスや厚みの薄いガラス構成にはL、グリーンガラスや厚みのあるガラス構成にはAN01、ソーラーグリーンやそれら中間のガラス厚みにはAN02など、要求特性やガラス構成に応じて遮熱グレードを選択いただくことで、最適な遮熱性能を実現します。
このようにS-LEC™遮熱中間膜は自動車エンジニアや、ガラス設計担当者の設計自由度・選択肢を増やし、小型車から高級車まで様々な自動車に最適な遮熱性能を提案します。
積水化学はこれまで実車を用いて、様々な通常中間膜とS-LEC™遮熱中間膜の比較テストを実施してきました。S-LEC™遮熱中間膜は車内に入り込む太陽の日差しを遮り、快適性をもたらすとともに、エアコンの消費電力を抑えることでEVの走行距離の延長にも貢献します。
同じクルマを使い、一般的なガラスとS-LEC™遮熱中間膜(グレードL)とを比較した実車評価では、最大で7℃、車内の温度上昇を抑える結果が確認されています。
S-LEC™遮熱中間膜は、人の肌が最も暑さを敏感に感じる1450nmや1900nm付近の波長を効率的にカットします。遮熱体感度を比較した調査では、94%の人がS-LEC™遮熱中間膜による快適性の改善効果を実感しました。
S-LEC™遮熱中間膜は日射しによる温度上昇を軽減し、外の暑さに関わらず車内をより快適に保ちます。
EVでの実車評価では、 S-LEC™遮熱中間膜(グレードL)は一般的なガラスに対して、エアコン負荷を抑えることで約20%の消費電力削減を確認しています。これは評価に用いたクルマのバッテリー容量から換算すると1.6%の航続距離の延長に相当します。遮熱性能の高い遮熱グレードであるAN02、AN01ではさらなら改善が予想されます。 S-LEC™遮熱中間膜はクルマのパフォーマンス向上に貢献します。
S-LEC™遮熱中間膜によるベネフィット
S-LEC™遮熱中間膜はクルマと乗る人に様々なベネフィットを提供します。
世界中の自動車用合わせガラスに採用されているS-LEC™遮熱中間膜の実現するソリューションの詳細をウェビナーとして是非ご覧ください。
コンテンツ
動画は英語になります。(日本語字幕をご確認頂けます。)