ヘッドアップディスプレイ(HUD)は、運転席前方のフロントガラスに走行速度や車線、ナビゲーション情報といったドライバーが運転時に使用する主要なインフォメーションを投影する安全運転装備です。

HUDに表示される情報は、運転者の視点から数メートル先に虚像として映しだされます。ドライバーは運転中、メーター等へ視線移動なしにフラントガラスに表示される情報を読み取ることができます。HUDは、瞬時にさまざまな判断が必要となる運転シーンにおいて安全性を高めるとともに、ドライバーの視線移動低減による疲労軽減にも貢献するアイテムとして広がっています。

より多くの情報を現実の視界に重ね合わせて表示する拡張現実HUD（AR-HUD）などHUDの技術は多様化が進んでいます。クリアな映像を映し出すため、合わせガラス用中間膜には、それぞれのHUDの種類に応じたカスタマイズが求められています。

フロントガラスはボディタイプによって取り付け角度が異なり、一般的に車高が高くなるにしたがってその角度は大きくなります。

近年、様々なボディタイプのクルマでHUDの採用が広がっています。フロントガラスの取り付け角度や曲げ（カーブ）を含めたガラスの形状デザインがより多様になり、くさび形中間膜に求められるくさび角度設計も準じた対応が必要となってきています。

S-LEC™くさび形中間膜は、フロントガラスの設計や取り付け角度に応じてくさび角度をカスタマイズし、ボディタイプによらずクリアなHUD画像の投影を可能にします。

HUD市場はグローバルで近年ますますの拡がりをみせています。

積水化学は、グローバルにS-LEC™くさび形中間膜の生産・供給体制を整えることで、HUD市場の成長を支えてきました。欧州、北米 、中国 、日本で安定生産・供給を実現するグローバルサプライネットワークを構築しています。

HUD市場の拡大と合わせて、また独自の多層共押出技術や微粒子分散技術を活用し、HUDの二重像発生の抑制に加え、付加価値の高いくさび形中間膜をグローバルで供給しています。