S-LEC™くさび形中間膜は遮熱機能と組み合わせることが可能です。
遮熱機能を持つS-LEC™くさび形中間膜は、目に見える可視光線は透過させクリアな視界を保ちつつ、近赤外線とUV(紫外線)を遮断します。携帯電話やセンサーの通信に必要な電磁波を遮断することもありません。S-LEC™遮熱中間膜による遮熱ガラスは、車内を涼しく、ジリジリする太陽の日差しからドライバーや同乗者の肌を守ります。
遮熱機能を持つS-LEC™くさび形中間膜は、鮮明なHUD投影画像と遮熱性の両立を実現し、安全で快適な運転環境を提供します。
HUDの投影機構は光を照射するプロジェクター、凹面鏡や反射鏡、TFT、またグレアトラップと呼ばれる透明板で構成されており、グレアトラップ以外はダッシュボードの中に納まるように設計されています。
HUDユニットは太陽光の負荷にさらされています。拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)が近年は注目されるなど、HUDはより多くの情報を広い範囲に映し出すために大型化しており、HUDユニットにより多くの太陽光が入り込むことによる集光が懸念されています。
遮熱機能と組み合わせたS-LEC™くさび形中間膜は、太陽光によるHUDユニットへの負荷を軽減します。積水化学がパートナーと実施したラボテストでは、標準的なフロントガラスと比較して、集光によるHUDユニット内のTFTの温度上昇を7℃低減することが確認されています。
金属コーティングされた遮熱ガラスにHUDの映像を投影すると、コーティング層による光の反射によりHUD投影画像がぼやけて見えたり、金属コーティングが電波透過を阻害することがあります。
遮熱機能を持つS-LEC™くさび形中間膜は遮熱微粒子を中間膜中に分散させることにより、熱源となる太陽光からの赤外線を遮断する一方で、HUDの投影画像には影響せず鮮明な画像を表示します。また、電波を遮蔽せずほとんどの周波数帯において電波透過が可能です。ドライバーや同乗者は、車内でも携帯電話による通信やETCなどの機器による通信環境を損なうことなく快適に利用できます。
鮮明なHUD投影画像と電波遮蔽のない遮熱性の両立を実現します。
同じクルマを使い、一般的なガラスとS-LEC™遮熱中間膜とを比較した実車評価では、最大で7℃、車内の温度上昇を抑える結果が確認されています。
S-LEC™遮熱中間膜は、人の肌が最も暑さを敏感に感じる1550nm付近の波長を効率的にカットします。遮熱体感度を比較した調査では、94%の人がS-LEC™遮熱中間膜による快適性の改善効果を実感しました。
S-LEC™くさび形中間膜に遮熱機能を組み合わせることで、日射しによる温度上昇を軽減し、外の暑さに関わらず車内をより快適に保ちます。
プロジェクトの設計ステージから自動車ガラスの開発をサポートし、ガラスに求められる性能、特性に応じて最適なソリューションを提案します。積水化学はグローバルに事業を展開し、積極的にイノベーションを進めています。
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